◆公立中学校 英語教師 ◆ 北海道音更町 宮前 敦子 先生
MAT ってすごい!私が英語教室で幼児や小学生に授業をしていた頃、いつもそう思っていました。私の働いていた北海道の英語教室では Let’s Go シリーズを使わせてもらっており、幸運にも仲田利津子先生に直接 MATメソッドについて教わり、そのメソッドを授業で取り入れるようになりました。MAT を取り入れてからというもの、生徒たちはいつもアクティブでやる気に満ち、お互いに話すこともできましたし、文法のルールさえ自然に覚えていました。もちろん、それは中、高生が理解しているようなものではありませんでしたが、彼らなりの解釈をし、よく理解していたと思います。MATメソッドを使っての授業を始めてからというもの、私はまるで自分がスーパーティーチャーにでもなったかのような錯覚に陥るほどでした。
もしかしてスーパーティーチャーなのではないかという期待と、小さな誇りを胸に、私は2013年から公立中学校で英語を教えるようになりました。ですが、中学校の教員としての私はもはや “スーパーティーチャー” というものからは程遠く、「先生」 と呼ばれることすら申し訳なく思うほど自信を失ってしまいました。あんなにアクティブだった私のクラスなのに生徒は反応しないし、やる気もみられない。まるで彼らが 「それで?先生は何をしたいの?」 と心で思っているようにすら見えていました。私はそれを生徒のせいにし、こんなに反応が悪いのは、彼らがそういう年頃だから…と自分のことをすっかり棚にあげていたのです。それは全くの間違いでした。生徒には何の罪もないんです。授業がうまくいかないのはすべて自分の責任だということに気づかされ、私自身が授業をダメにしている張本人だと認めざるをえませんでした。教え方、教材にしばらく悩み、私はふと、利津子先生が言った言葉を思い出したんです。
「MATはどんな年齢の子どもにも、どんな教科にも活用できるメソッドなのよ。ある中学校では社会の先生だって MAT で教えているのよ。」
そして私は MATメソッドを使って授業を組みたて直しました。子どもたちの興味のありそうな芸能人、スポーツ選手やアニメのキャラクターを用いてピクチャーカードを作り、それらを使ってドリルをするようになりました。最初はリピートやドリルをリズミカルに言うことをためらっていた生徒たちも、すぐに口を動かすようになり、自分から文を作り話し始めるようになりました。ドリルのときには私に合わせて “Again!” と、楽しそうに活動をし始めたのです。MATに救われました。
ミニクイズや定期試験にも普段の授業で使うドリルカードから出題し、授業との関連性を持たせ、彼らのやる気に繋げるよう努力しています。もうこれで授業がどう変わったのか、お察しつきますよね?
私は現在、特別支援の生徒も受け持っています。彼らとも同様にドリル活動を楽しんでいます。なぜならシンプルで楽しいこの活動は彼らの集中力を切らさないからです。もちろん、覚えるのには時間がかかりますが、楽しそうに授業に取り組む姿をみると、何とも言えないうれしい気持がこみ上げてきます。
もちろん、これですべてが成功だとは思っていません。今はただの通過点にすぎないし、これからもいろいろな問題に直面することでしょう。ですが MATメソッドさえあれば、どの年齢の子どもにも教えることが可能だとわかった今、それらを乗り越えられる。
今も、そしてこれからも、MAT LOVER のひとりとして全力で取り組んでいきたいと思います。